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トップ > コラム記事一覧 > 腰の痛み > 今の腰痛と過去の腰痛は違います。

今の腰痛と過去の腰痛は違います。

 今の腰の痛みと過去に起きた腰の痛みは必ずしも同じ原因や問題とは限りません。人間にとって痛みを感じるのはどうしても「腰が痛い」としか感じることができないので、正確に同じ腰痛というものは存在しません。なまじ痛みを繰り返し経験していると、どうしても過去の腰の痛みの経験から「あ~また来た」「またこの痛みか・・」「これくらいの痛みは前にも・・」と勝手に自己判断をしてしまいがちですが、やはり痛みの悪循環に陥ってしまいます。

 特にご自身が40歳を超えていれば尚更、問題は深刻になる時があります。年齢を重ねれば重ねるほど、回復力も遅れてしまい同じケガとしても回復は遅くなります。治療の際にも「湿布貼ってれば問題ない」「寝れば治る」「運動してるからこれくらい平気」などおっしゃる方も多いです。しかし、その自己判断は怖いものです。

 例えば腰痛で有名なのが「椎間板ヘルニア」があります。これは腰にある椎間板が飛び出し(飛び出すことをドイツ語でヘルニアと言います)周りの神経を刺激したり、圧迫することによって腰の痛みを発生させます。

 その際に椎間板のヘルニアの起こり具合も毎回確認できているかというと、そういう人はほぼいないと思います。椎間板の亀裂や突出、または脱出具合が確認できるかというと難しいですし、毎回MRIを撮ることができてもそこまで確認できるものではありません。もし仮に同じ箇所が損傷しているとわかった場合でも以前傷ついた箇所が傷つけばよりダメージは深くなり、治りづらくなってしまうものです。

 人間は「慣れ」の生き物です。繰り返す痛みが長期的に慢性的に起こっていれば、誰しもある種の「慣れ」を起こします。「あ~また来た・・」「またこの痛みか・・」慣れというものはいいことでもあり、悪いことでもありますが、痛みに関してはやはり「悪い慣れ」になっていきます。

 今のあなたの腰痛と過去のあなたの腰痛では同じものはまず有り得ません。どうしても、悪い慣れという痛みの悪循環に陥っている方はそのことすら認識できていません。いつまでも腰痛に、ぎっくり腰に悩まされるのはもったいない話です。

 今の腰痛を治したいと思っても、また同じ痛みでまた悩まされてしまうのなら「痛みを治す」という「治療」よりも痛くならないように「予防」や「手入れ」を選択することをオススメします。何故腰痛になるのか?どうしたら予防できるのか?とお身体と向き合うことができれば、まだまだ人間には回復する力がありますので、2度と腰痛にならないように再発防止に努めていくことのお手伝いができれば嬉しく思います。

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