人間の身体は日常生活の中で様々な負担を受けています。それはいきなり痛みを持つほどの強い力で受けるものだけではなく、何気ない力の物でも何年何十年かけて身体の色々な箇所に問題を生じさせます。その人の職業、趣味、生活習慣、既往歴などで色々影響を与え、ご自身では気づかなくても負担を受けるものです。
一番わかりやすいのは職業の中でも単純にどういうことをしている時間が長いかということです。立ち仕事なのか座り仕事なのかそれとも身体を使う肉体作業などで問題が起こる個所が変わっていきます。
例えば今やほとんどの人が座り仕事をしている人であり、座り仕事の方で多いのがやはり肩こりと腰痛です。座る時間の増加による座り方の悪化に伴い首や肩、腰に負荷がかかり、それを何時間何十時間と続け、さらにそれを何年と行っていけば充分に肩こりや腰痛などの問題は起こります。
それだけで済めばいいですが、肩こりを感じるようになれば、頭痛(緊張性頭痛や片頭痛)、目の疲れ(眼の奥の痛み、眼精疲労)、アゴの痛み(顎関節症)、首の重さ痛み、寝違え、めまい、自律神経症状、背中の痛み・ハリ、肩が上がらない(五十肩)、腕手指のしびれ、肘の痛みなどは肩こりと共にセットで見られることが多いものです。
腰の痛みも腰のハリや重さから、ぎっくり腰(椎間板ヘルニア)、お尻の痛みしびれ、太ももの痛みやしびれ(座骨神経痛)、脚の付け根の痛みなどに繋がっていきます。また座り仕事の方の悩みで多いのは姿勢の悪さなどの猫背の問題や脚のむくみなども起こりやすいものです。
立ち仕事の方にはもちろん腰や脚の問題は起こりやすいものであり、職種によっては肘や肩も入っていきますが、首や頭痛に関しては少ないように思います。身体を使う仕事ではそれぞれ腰や膝などの使う箇所の疲労や痛みが生まれ問題になってしまいます。重いものを運ぶ人では腰痛や肘などの痛みを訴えやすいものです。
職業と言っても立ち仕事、座り仕事、身体を使仕事と3つに分類するだけでもそれぞれ負担がかかる個所は変わってくるので、お仕事による職業病と言ってもいいものです。座り仕事で腰の痛みが気になる方でも潜在的には肩こりもほとんどの方が持っているといっても構いません。「今は大丈夫」と思われるでしょうが、腰の痛みの改善とともに「今度は肩こりが気になってきた」とおっしゃる方が多いのも事実です。
これは余談ですが、もしも立ち仕事から座り仕事へ。座り仕事から身体を動かす仕事へと転職した場合はそれに適応させるために身体も変化していくので痛みや悩みの問題も変わってきます。
また職業だけでも違ってくればこれに先ほど上記した趣味や生活習慣、以前の既往歴などが重なってくれば複雑化してしまいます。自分自身では「問題ない」と思っていても、様々な要因が身体に負担をかけ問題を起こそうとしています。