「身体が柔軟だと腰痛になりづらいんですよね?」「そうですね」
「じゃあ開脚できるようになった方がいいんですね」「少し違いますよ」
「えっ?」
これは結構勘違いされやすいのが「開脚=柔軟性が高い=腰痛になりづらい」という図式です。確かに開脚は少し前にブームになったりもしましたし、開脚ができると柔軟性が高い人に見えやすいものです。ましてや開脚ができることは股関節の柔軟性もあるので良いことのように見えますが、腰痛のなりづらさとは少し違ってきます。
開脚できるようになるのは素晴らしいことです。身体の中で最大の可動範囲を持つ股関節が開くようになるためには、たくさんの運動や体操やストレッチなどをしていかなければならないので、そのために費やされた運動は開脚の為だけではなくてもとても良いことです。
ただ開脚はあくまで股関節の問題です。開脚するために色々行ったことは股関節だけに行うことではないので全身の運動を行いますからそれだけ身体全体で筋力の増加や柔軟性は高まっていくので、その部分が腰にとっても良いことがたくさんあるので、開脚を行う目標のためにフィジカルを強化してその結果腰にも良いことがあるというものです。
もちろん腰は股関節の上にありますから全く腰痛との因果関係が無いわけではありません。股関節は柔軟であった方がいいですし、腰の負担を逃がすうえでも大事なサスペンションや緩衝になりますので柔軟であるに越したことはありません。
また腰痛予防に開脚と同じですが股割りが良いという話もあります。身体が大きなお相撲さんが腰痛が少ないのは股割りが良いという考えがありますが、これも少し違うと思います。股割りは人間の中でも特に大きな筋肉である殿筋お尻の筋肉や下半身からのパワーの伝達をするうえで股関節の動きが重要であり、股関節が固く動きが小さければパワーは発揮しづらいので、自然と股関節の動きを高める意味で必要なものだからこそです。ですからそこと腰痛のためとは少し違う話になるのです。
ただ腰痛の予防に開脚が必要かというと必ずしも一致はしないということですし、必須で行わなければならないということではありません。股関節の柔軟性があることは身体にとって良いことが多いのでぜひ柔軟性を高めるように色々な運動は行ってほしいのですが、腰痛の予防のためになるかというと直接的というより間接的には良いので行ってほしいのです。
腰痛予防や改善のために様々ないわれや俗説などありますが昔ならそれで良かったことでしょうが、現在ではわかってきていることもあり、有効的な事やそうでもないことはたくさんあります。お客様からの色々な質問は大変ありがたいものであります。色々ご質問あれば教えてください。