肩こりや腰痛でお悩みのお客様からよく伺う質問のうちの一つに「この部分を家で揉んだり押したりしてもいいの?」というものです。確かに、ご自宅でマッサージをされている方も多いでしょうし、ご自身で少しでもマッサージすることで楽になればいいことだとは思いますが、ご自分でのマッサージはあまりオススメしておりません。
一番の問題は「力加減」にあります。「どれだけ押せばいいのか?」「どれくらいの力でいいのか?」というのは非常に難しいものがあるものです。ただ闇雲に押せばいいというものでもありません。
多くの方が「強く」押し過ぎているということです。最初はそれなりに押したり揉んだりしていると思います。しかし少しずつ押したり揉んだりすると段々と強くなっていくものです。押しても効いていない感じがあれば強く押そうとしてしまいます。強く押せばいいと思っている方も多いものです。
最初は「気持ちいい」位に押していても、段々と物足りなくなり今度は「痛気持ちいい」位まで押してしまいます。その次には「痛いくらいの方が効果がある」と思うのか、指などでグリグリ押す方もいらっしゃいます。そして、指でグリグリ行っていると、今度は指が痛くなり、物を使うようになり、硬式のテニスボール位の硬さのものをを当てるようになったりします。
その後にはゴルフボールや木の棒などを使って押そうとしてしまいます。確かにグリグリ押していると気持ちいい感覚やその感触によって痛みが和らぐような感じになりますが、もうそうなると押された部分の組織は損傷している状態です。最近テレビや雑誌などでゴルフボールで痛いところの筋肉をほぐすみたいな記事がありますが、正直見ていて怖いくらいです。
確かに押していて気持ちいい感覚はわかりますが、「痛気持ちいい」感覚はもう押し過ぎです。施術をする際にも強さ加減というのは最新の注意を払って行っています。気持ちいいことと身体の回復させることでは内容が変わってくるのです。
これもお客様に言われますが、「先生って指痛くならないの?」や「腕力ないからこの仕事は大変でしょ?」という質問です。やはり多くの方が、施術に対して力を込めて行っているような、または指で強く押したり揉んだりしていると思われているからでしょうか。
施術に関して、ハッキリ言えば力は要りません。少し弱いくらいでちょうどいい位です。中にはお客様には物足りなさを訴える方もいらっしゃいますが、本当の意味での改善のためには「力」や「強さ」はいらないのです。