今は「骨盤」という言葉がとても当たり前のように使われています。どこかの通販番組を見れば「骨盤○○」というような骨盤と名がつく商品がたくさん販売されており、逆に身体のための商品で骨盤と名前がつくのが無いくらいまでついており、魔法のような言葉にすらなっています。
それは多くの方が骨盤のことを気にしていて、骨盤のゆがみ、骨盤のズレ、骨盤の開き、骨盤の傾きなど色々な所で気にしており、何とかそれを変えなければと思っているからです。
多くの通販グッズや健康グッズで魔法のように使われている骨盤とは何なのでしょうか?そして骨盤さえ正しければよいものなのでしょうか?非常に疑問に思います。
本当に正しく骨盤というものを理解して調整していることをしているのでしょうか?また通販や販売する会社も正しく伝えているのでしょうか?
そもそも骨盤とは腰の下、お尻の所にある骨のことであり、背骨と脚の骨を繋いでいる骨の集まりです。両側にある2つの寛骨と真ん中にある仙骨の3つの骨の集合体が骨盤になります。
寛骨と仙骨は非常に分厚い骨で作られ、前側は恥骨と呼ばれる軟骨で結合し、後方は仙腸関節と呼ばれる関節で寛骨と仙骨は結ばれ、また仙腸靭帯という固い靭帯でくっついています。
この骨盤は強固な骨と靭帯で結合されているので、ほとんど動くことはありません。そもそも骨が簡単に歪んだりズレたりしたら大問題です。
細かく言えば仙腸関節が1mm動くか動かないか位の小さい動きであり、全く動かないといっても言い過ぎではない位に骨盤は動かないものです。
その動かないはずの骨盤が何故こんなにゆがみやズレや開きや傾きを問われるのでしょうか?
それはやはりイメージとしてわかりやすいというところが大きいものです。人は問題がある時明確に何かが悪いという対象物が必要になります。
そこで多くの通販やグッズの会社ではイメージとしてCGやイラストを使い、多くの人にわかりやすくするようにそう描かれていったことで骨盤が問題であり、そこを改善することがいいようになってきました。
確かに骨盤がゆがんだり、ズレたり、開いたり傾いたりしているというのは頭の中のイメージとしては非常にわかりやすいものであり、それはそれでよいと思います。
そしてその骨盤のゆがみやズレ、開きや傾きを調整したり矯正することで色々な問題が改善できるというのは身体の改善のための入り口としては理解できます。
しかし現実として骨盤のゆがみやズレ、開きや傾きは起こることはほとんどありません。そもそもそういうことが起こっていませんので。骨盤の問題が身体の色々な問題を改善するような魔法の物でもありませんのでご注意ください。