先日、雑誌を読んでいた時にあるベテランのアスリートの方のインタビューが載っていて「20代の時はトレーニングしてゆっくり寝れば次の日に回復できていたのが、30歳を超えてからはトレーニングの量を少なくして、身体のケアや手入れをするようにしている。若い時は身体を触られるだけでもくすぐったかったが、歳を重ねると身体を手入れしてもらう方が楽になる」との記事を拝読しました。
これは施術者側としてもすごく実感します。今は若いアスリートが小さい頃から身体のケアや手入れを行うようになっていますが、それは身体に対する意識も高まった証拠としてすごく嬉しいものです。しかし施術者として10代や若いアスリートに手技として多くのことができるかというと少ないものです。若いうちはどちらかと言えば食事や栄養をしっかり取り、適切にトレーニングをして休息を取っていくことの方が身体のケアを疎かにするということではないですが、重視してほしいと思います。
それというもの若い時には「自然治癒力」は充分に働いています。若いからこそ食べて鍛えて寝て朝起きた時にはまた元気に動けるものですから、しっかりと行ってほしいものです。しかし、年齢を重ねるということは「自然治癒力が衰えていく」のです。身体の自然な治癒する力が衰えていくことはなかなか実感できるものではありませんが、アスリートならば25歳を超えたころ位から確実に起こっているのです。
衰えている自然治癒力は何かで補わなければ減る一方になります。落ちる力は放っておけば何事も加速度を増してしまいます。落ちていく治癒力を上げるのは無理なので、落ちるのは仕方ないものを緩やかにすることが身体のためになるのです。
それがアスリートならば20代前半から考えてほしいものですが、私たち一般人ならば早くて30歳半ばから、遅くても40歳を超えたなら行ってほしいものです。40歳だと現代人ならまだまだ若い人扱いでしょうが、しかし40歳は初老です。そして40代はぎっくり腰の好発年代です。
「アレ?」「前だったら寝れば治ったのに?」「なかなか疲れが取れない」など言い始めるのもこの頃からです。身体のケアや手入れは身体の自然な回復力のお手伝いとなります。普段から何もしていなければ「いざ痛くなってしまうとすぐに治らないものです。日々身体の手入れが出来てこそ、身体の回復力は高めることができ、年齢を重ねても疲れや痛みからの回復は容易になるのです。
人間の自然治癒力は素晴らしい力を発揮できますが一朝一夕でできるわけでもありません。だからこそ、しっかりと身体の手入れをして長く健康な状態が続くように努めてほしいものです。