今、女性にヒールやパンプスを強制で履かせないようにする「♯kutoo運動」が起こっています。これは非常に応援したいものです。この職業をしていて女性がヒールやパンプスにによる足の悩みを抱えていることが理解できました。
たぶんこの職業をしていなければ理解はできず「へぇ~」位の無関心でいたと思います。それは男の人にはなかなか理解が難しいものでした。だからこそ、この運動は進んでほしいものです。
何といっても女性の靴における一番の問題は「外反母趾」になります。外反母趾とは文字通り「母趾(足の親指)が外反する(身体の外側に曲がる)」ということです。
足の親指が外側に曲がることで関節が変形し出っ張るようになり、その出っ張った部分自体が痛みを持ったり、また靴にあたり痛くなってしまいます。また外反母趾は「内反小趾」とセットになり(内反小趾は足の小指が内側に曲がること)それぞれ出っ張った関節が痛くなってしまうのです。
外反母趾の原因はほぼ「靴」のせいです。ヒールやパンプスなどの細い靴や先のとがった靴を履き続けることで足の形がその靴に合わせるように変形してしまうことで起こります。
靴に合わせて変形させてしまい、さらにそのせいで足が痛くなってしまうのは何とも悲しい矛盾です。
私も多くの外反母趾の方を施術してきましたが、一番の治療は「ヒールやパンプスなどの細い靴を履くことを止めること」ですが、この話をしても「仕事だから」「決まっているから」と受け入れてもらえることは難しいものです。そうそれは社会が強制して女性の足を痛めつけているからなのです。
男性にはこの気持ちはわかりません。何故なら男性は「ヒールやパンプスなどの靴を強制」されていないからです。被害者になっていないから気持ちがわからないのです。また勝手にこういうものだと決めつけているのでこの悩みはわかろうとも知ろうともしないのです。
そしてこの靴や外反母趾の問題は足を痛めつけるだけではなく、正常な足の機能にまで影響をするので「足のむくみや冷え」「ふくらはぎや脚の疲れ、ダルさ」「膝や股関節の痛み」など下半身の問題、時には全身にすら大きく関与してしまうのです。
ヒールやパンプスが全て悪いとは言いません。女性として履きたいときもあるでしょう。だけどこの問題は「強制」されてしまっているところです。
会社によっては「規定」にされていたり、規定ではないものの「半ば強制」「暗黙のルール」と化してしまって、知らず知らずのうちに負担をかけているのです。
この問題がきっかけになり女性の靴が「強制」から解放されてくれると私としてもうれしく思います。女性の足が痛くなってしまうのは施術しているのも辛いです。少しでも変わってくれると嬉しいです。