今年は東京都内で40数年振りの雪が積もり、各地で大変な被害に遭っています。東京都内でも2週続けて20センチ近く降り積もり、慣れない雪のために交通状況がマヒするので、電車や車、そして徒歩など移動が困難になります。また、雪が降った時には積もった雪をそのままにするわけにはいきませんから雪かきは必須になり、どかすために「雪かき」をしないといけません。
しかし、雪かきは腰にとっては厄介になり、雪かきをした後、腰が痛くなり来院する方も多くいらっしゃいます。雪かきをしている最中に痛くなってしまう方や雪かきをした次の日に朝起きようとすると起き上がれなくなってしまうなど、腰痛がひどくなりぎっくり腰などになってしまうのです。普通に雪かきをしていては腰を痛めるだけになります。
だからこそ、気を付けて雪かきをしなければなりません。一番大事なのは「足を並行にしないこと」です。足を横に平行にした状態で雪かきを行うと、そのまま腰から屈む事になり、ただ単に、腰を屈める作業としても上半身の体重の7倍から10倍の力がかかるもので、足を平行にした状態で雪かきを行うと、スコップに乗せた雪の重みも伝わるので、腰への負担はさらに倍以上の力が腰へ降りかかります。
さらに負荷は強くなると、それこそ問題です。腰にある椎間板しかり、筋肉にも支える力の限界が存在します。ましてや、雪かきは一回では終わりませんので、その行動を繰り返してしまえば相当なストレスとなり腰痛やぎっくり腰に繋がります。
また、足を並行にしないことは重心の安定に繋がります。相撲や柔道などでは足が平行になることを足が揃うといい、この状態になると相手から投げられやすくなってしまうので、常に足を並行にしないように構えを取るものです。足を並行にしなければそれだけ、身体のバランスをとりやすく、負担を少なくすることができるのです。
では、足を並行にしないとするならばどのようにすればいいかというと、片足を並行から少しでも前に踏み出せばいいのです。つまり平行に開くのではなく、少しでもいいから「足を前後に開く」のです。足を平行にして身体を屈め横移動で雪かきをすると腰への負担が強くなります。少しでも足を前後に開いて膝を曲げ前後方向に雪かきを行うと、腰への負担が格段に減ります。前後に開いた状態で行うだけでいいのです。
雪かきをしなければ済むのかもしれませんが、やはりそういう状況になれば雪かきをしなければなりません。もちろん、雪かきは大変ですから、途中で休んだり、腰を後ろに伸ばしたりしながらも行ってほしいものです。雪かきに一生懸命になるのは仕方ないとしても、ちょっとの工夫で腰痛になるリスクを回避できることはとても大事です。これは普段の動作にも当然応用できます。ついつい、足を平行して屈む事が多いですが、ちょっと足を前後に開くようにしてもらうだけで立派な腰痛対策になるものです。
今年もまだまだ雪が降る可能性は残っていますし、またこれは来年以降でもできることであります。、ぜひ無理をせず腰痛への予防を行ってください。