昔の中国で小さい靴を履かせる部族がいるという話を聞きました。そんなことをしていれば当然足に痛みや成長を阻害し問題を起こしてしまいますが、どうやら、そこでは子供の時に小さい靴を履かせ、足の成長を妨げることで、村の外に逃げないようにしていたということなのです。
以前では世界の色々な所で様々な慣習が起こっていて、今考えるとありえないことでもその時では当然のように起こっていました。
しかしそれでも、人間の身体は不思議なもので何とか適応しようとしてしまいます。それが人間の凄さでもあるのですが、やはり無理を強いれば色々な問題になってしまいます。
江東区亀戸にある藤かめいど整体院では「座り仕事の方のためのコース」が好評で、座り仕事をされている方が多く来院され、座り姿勢や、デスクワークでの環境についての悩みや質問を受けています。
仕事中にどのように座ればいいのかなど、様々な悩みや質問を受けますが、基本的な部分で多くの方が座ることに対して間違った考え方をしていることがあり、お話を聞く限り、今のまま普通に座っていると、やはり肩こりや腰痛になってしまうものであります。
以前、当院にいらっしゃったお客様にご自身のデスク周りの環境について相談を受けたときに「パソコンのモニターに目線を合わせる為に、イスの高さを低くした方がいいか?」と尋ねられました。
確かに、パソコンのモニターが目線より低い位置にあると、覗き込むような形に首がなるので、首や肩に負担をかけるからパソコンのモニターを目線の高さにすることはおススメしたのですが、そのためにイスの高さを低くするのは間違いだということをお伝えしました。
パソコンのモニターを目線の高さに合わせるというのは正に「人に物を合わせる」というので、この目的は正しいのですが、そのために「イスの高さを下げる」というのはこの逆でモニターという「物に」自分という「人を合わせる」行動になっています。
人間は適応能力の高い生物ですから、ある程度はこのような行動でも少しの間は楽かもしれませんが、これでは最初の中国のお話のように、「物に人を合わせる」行為になり、身体に問題を起こしてしまいます。
デスク周りの環境は必ず「人に物を合わせる」ようにしましょう。これが絶対です。
190cmの大きな男性と150cmの小さな女性では使うものは違って当たり前なのです。パソコンのモニターの為に自分が合わせるようなことは小さい靴を履き続けることと一緒です。
確かに、会社の机やイスではなかなかご自身の身体に合わせるのは大変でしょうが、パソコンやデスクにご自身を合わせるのではなく、自分自身の身体にパソコンやデスクを合わせるようにしていきましょう。