今年も夏の甲子園が終わりました。今年は昨年から騒がれ始めた「投手の球数制限」非常に話題になりました。新潟県が自主的に球数制限を地方大会で導入すると発表したところ高野連が介入し無くなってしまったり、岩手県でエース投手が決勝で監督が投げさせなかったことに賛否を呼びました。
一昔前ならばエースが連投連投で投げ切りチームを勝たせるために身を粉にする、燃え尽きてもいいという気持ちが美化され、常識となっていましたが、やはり一人の投手に依存した状態で連投を続けることでその子の肘や肩はケガをしたり満足のいく投球ができなくなったりで野球を辞めるようになり、少しずつ問題となってきました。
これは何度でも言います。球数制限は一秒でも早く行ってほしいです。多く球数を投げることに全く意味はありません。悪習でしかありません。子供たちを危険にさらして何が楽しいのかと思います。
まず基本的に「物を投げる」という行動自体が肘や肩にものすごく負担をかける行動ということです。昔メジャーリーグの有名打者が試合で投げたらすぐに肩を怪我したことがあります。あれだけ身体の屈強なメジャーリーガーですら怪我してしまう可能性があるのが「物を投げる」行為は大変なのです。
その大変な行為を化骨すら終わっていない子供たちに繰り返して投げさせるなんて壊すために行っているようなものです。昨年は腰の話「子供たちはなかなか言えない。」を中心に書きましたが、身体を痛めてまで行う必要はありません。鍛えることとケガをさせることは違います。
しかも捻挫や骨折のようなケガと違って、一度ケガをするとなかなか同じようなパフォーマンスを出すのが難しいケガなので同じ怪我としてすら考えてほしくないです。また打撃練習とか守備練習みたいな反復練習ができるものではなく、別問題と言うことを理解しなければいけません。
そしてこれは高校野球の一つの大会だけの球数制限の話ですが、本来ならば野球を始める小学生の頃から、そして練習の段階から行わなければいけない話であります。子供のうちに大人と同じようなことをさせたがる指導者が多いですが、子供の身体は大人と違います。大人が子供を守らなければならないのです。
一体どうすれば野球界の大人たちは変わってくれるのでしょうか。因果関係を説明しづらいところもありますが、相関関係ははっきりしているので、自分たちのエゴを捨てるだけでできるはずなのです。
もちろん球数制限などをすることで甲子園の盛り上がりや経済効果は少なくなるのは確実だから関係する大人たちは知ったこっちゃないのか、検討すると言って決断しないことでお茶を濁すくらいでしょうが子供たちの将来のために、未来の野球界のために今すぐ決断してほしいことです。
球数制限は一切投げないということでもありません。ちゃんと投げる数を決めて集中して投球をするということです。「量より質」です。それが大事です。