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矯正よりは・・

 「矯正・・悪いものを直す。正常な状態に戻す」などの意味があり、歯列矯正や補正下着によるボディラインの矯正などによく使われます。そして当然、カイロプラクティックや整体の業界でも「背骨矯正」「骨盤矯正」「猫背矯正」など多くのところで「矯正」と言う言葉はよく使われています。

 しかし矯正という言葉はカイロプラクティックには馴染まないのではと思っています。

 歴史的に見ても日本ではカイロプラクティックは「背骨矯正」「脊椎矯正」と訳されてきました。カイロプラクティックの歴史的にも昔は「ズレた背骨を戻す」といような表現を使っていたのでこれは仕方のない所でもあります。

 しかしこれは近年ではズレたり歪んだ背骨や骨盤を戻すということは無いのが周知の事実です。

 歯列の矯正や補正による矯正下着という使われた方は非常に分かります。悪い状態の物を正しい位置で留めておくということをするために「矯正」というややおもすると強引に無理やり強いることにおいては「矯正」を使うのは非常に分かります。

 また昔カイロプラクティックは側彎症という背骨の歪みが起こる病気に対して効果があるという「歪んだ背骨を矯正することで真っすぐになる」というあくどいことを言っていました。(今なら炎上案件のようなことも行っていました。)

 背骨や骨盤、ましてや猫背は矯正するものではないと考えます。基本的に人間の身体は動くように出来ています。矯正して動かさないようにすることはとても身体に悪いことを強いているのです。

 背骨や骨盤は関節で結合しているものであり動くものであります。また猫背も固定して留めておくものではなく、あくまで印象によるものなのです。

 私も昔この仕事をする前には「猫背矯正」「や「猫背矯正グッズ」なるものに全く違和感を感じなかったものですが、この仕事を始めて身体の仕組みを知ると猫背は矯正するものではないということもわかりました。猫背は姿勢問題ではないからです。

 「矯正」より「調整」という言葉の方がまだ良いかもしれません。背骨調整、脊椎調整、骨盤調整など、矯正よりはいくぶんましかと思っています。

 「何が違うの?」と思われるかもしれませんが、矯正という言葉に対して違和感を感じるのです。言葉一つの重みをとても大切にしているからこそ、適切な言葉を使っていきたいと思います。

 誇大広告や過剰な宣伝がやはり横行している現状ですから、なるべく丁寧に言葉を尽くしてわかりやすくお伝えできればと思っています。

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