首の痛みや肩こりでお悩みの方がたくさんいらっしゃいます。首肩の問題の改善のためには首肩にかかる負担の原因も知ることが大事です。首肩の負担になるのは首の動きになります。それは大きく分けて2つあり、一つは「覗き込む」ことであり、もう一つは「下を向く」ことになります。今回は下を向くことです。
下を向くことの特徴的な行動と言えば今では「スマートフォン」でしょうか。スマートフォンをされている方の首の動きをこれも横から見て頂ければ分かると思いますが、ほとんどの方がスマートフォンを胸前あたり持ちながら下を向いているような動きになっています。
最近、歩行中で、スマートフォンの使用による事故というのが言われています。道路上で反対から来る人とぶつかったり、ホーム上で電車と接触するなどという例も見られます。これらの問題はスマートフォンに集中することで視野が狭くなることもありますが、行動的には「下を向いている」ので、前方が確認できず、色々な問題を起こしてしまっているのです。
そして、この下を向いている動きが首肩への負担を強めてしまいます。頭の重みを首肩を支点にして、遠い所で引っ張っているようなものですから、テコの原理も働きこれも知らず知らず首肩への負荷を強めているのです。
他にも下を向く行為はたくさんあります。それは読書です。新聞や雑誌、文庫本、マンガなどの読み物を読む時はほとんどが下を向いています。読書をしている時も基本的には読み物は胸前や下に持ってしまい、それを長時間続けてしまいます。
書き物などの事務作業もやはり下を向いています。今の事務作業のほとんどがパソコン上で行うことが多いですから違うかもしれませんが、20数年前までは事務作業は書き物がほとんどであり、それこそ、事務員さんは仕事中ず~っと下を向いているので、それを続けていればやはり首肩への負担となっていました。
余談ですが、事務作業をされている事務員さんは昔も今も首の痛みや肩こりに悩まされています。それは頭の重みを首肩の筋肉が過度に負担を受けて痛くなっているのですが、昔と今ではその負担のかけ方が変わっているのです。つまり昔は書き物をして「下を向く」ことで負担をかけていたのが、今はパソコン作業をして「覗き込む」ことで負担をかけています。同じ事務員さんの事務作業での首肩への問題ですが、起こる条件が変わっています。
他にも細かい作業や勉強している時はほとんど「下を向く」ような首の動きになります。日常生活では多く見られる動きになるので、ある種仕方が無い所もありますが、だからこそ首の痛みや肩こりの問題に繋がりやすくなりますので、しっかりと問題を認識してもらうことが大事になります。