「まだ大丈夫」「そんなに痛くないから」「これくらい平気」と考えずに痛くならないうちに、悪くならないうちに早め早めにお身体の手入れやケアをして良い状態を保てるようにメンテナンスしていきましょう。
痛くなってから悪くなってから治しているとなかなか治りが遅くなります。ご自身の中で痛くなる基準ができてしまうと「これくらいならまだ大丈夫」とか「こんなのよくあるよ」というような「以前の自分の身体の記憶」を思い出し、それに照らし合わせて判断してしまいがちになります。
確かに昔の若いころにその痛みから良くなった記憶があるとどうしてもそれを根拠に考えてしまうのですが、やはり過去の経験というのは切り離す必要があります。例えば昔の腰の痛みと今起こっている腰の痛みが一緒ではない可能性もあるからです。いや以前の腰の痛みと同じ腰の痛みがあるはずありません。「今の腰痛と過去の腰痛は違います。」
また、もしも同じ個所が同じように損傷して痛みを発症していたとしても、同じ個所ならばより損傷して悪くなっているでしょうし、また同じ損傷だとしても自分自身の回復力は昔と違い同じように回復していくことは少ないものです。
人間の記憶は便利なようであやふやなものですから時には都合のいいように変えてしまっている可能性もありますす。どうしても同じことが起これば同じようにすればいいと思いがちになりますがそれはもう妄想の世界です。
これが物体の世界ならば新しい素材が開発されて丈夫になっているから以前と同じことが起きても安心と言えることがあります。しかし、人間の身体は年齢を重ねれば組織や回復力は衰えるものです。問題が起これば逆の考え方をしていかなければならないのです。問題が起これば起こるほど早く対処していかなければ問題がなかなか治らなくなってしまうのです。
20代の若いうちならばそんなに問題にすることは少ないかもしれません。それこそ「寝れば治る」ことも期待できます。しかし、30代半ば過ぎから少しずつ身体は変わり40代になれば身体に対する考え方を変える必要があります。「40歳は初老」ですし、昔から言われていますが「ぎっくり腰は40代が好発年代」になります。40歳を過ぎれば身体に対する考え方は変えるべきなのです。
現在は昔より色々健康に対する情報も増え、食事、運動、医療、薬など色々な面で目覚ましい発見や進歩があり一昔前とは年齢に対する意識も変わり健康で長生きできる人が増えてきました。ですから「いつまでも若くて健康」という気持ちになるのもわかります。しかし人間の身体や仕組みは人間の有史以来何億年とほとんど変わっていません。だからこそ、自分の身体を大切に扱うためにも「まだ大丈夫」と思わずに早め早めにケアをして身体の手入れをしてほしいものです。